尾瀬 2012初夏 その2

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尾瀬ヶ原に入っても、まだ霧は晴れません。






2012.06.30(土)


いよいよ待ちに待った尾瀬ヶ原へと入ります。

前日の天気予報によると、今日の午前中は晴れとのことでしたので
6:30過ぎの尾瀬ヶ原は、まだまっ白い霧の中ですが、
そのうち晴れて来るだろうという、楽観的な気分でいます。

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ここから湿原の中へと入っていきます。


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その2はエンジ色っぽい線で。かなり短い区間ですね。




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木道の傍らにはレンゲツツジとワタスゲが咲いていました。

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なんでもレンゲツツジには毒が含まれているようで、動物も食用としないようです。



レンゲツツジ(蓮華躑躅、Rhododendron molle subsp. japonicum)はツツジ科ツツジ属の落葉低木。有毒植物。

高さ1~2mの落葉低木、4~6月に葉が出たのち葉が開くのと前後して直径5cmほどのロート状の花をつける。
果実は蒴果、長さ2~3cmの円筒状で、10~11月に熟すると5裂して小さな種子を飛ばす。
つぼみの様子が蓮華に見えることから名付けられたという。「ウマツツジ」「ベコツツジ」などの別名もある。

全木にジテルペンのグラヤノトキシン、ロドジャポニンなどの痙攣毒を含み、呼吸停止を引き起こすこともある。
牛や馬にとっても有毒なため(ウマツツジ、ベコツツジの別名はこれらの動物に害を与える事から)食べ残すので、
レンゲツツジの群生地になっている牧場も多い。





近年、尾瀬にも以前は居なかった鹿などが増殖しているようで、その食害に頭を痛めているようです。
そういえば、去年訪ねた信州の車山などは鹿によってニッコウキスゲを食べられてしまっていました。
(電気柵の中だけ咲いている状態でした・・・他の場所は酷いことに)



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後で晴れてくると確信!?しているので、霧の中の景色も楽しもう・・・というように気持ちを切り替えています。


そのように考えると、ただ見通しが悪い・・・のではなく


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空間の白と野に咲くワタスゲの白が幻想的です。


・・・と、思えるようになって来ます。(ホントかっ)



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これが、そのワタスゲの正体です。


ワタスゲ(綿菅、学名:Eriophorum vaginatum)はカヤツリグサ科ワタスゲ属の多年草。
別名でスズメノケヤリ(雀の毛槍)という。北海道から中部地方以北の高層湿原に生え、
大群生をつくることが多い。

高さ30-50cm。花期は5-6月。白い綿毛を付ける果期は6-8月。
花が終わると直径2-3cmの名前の由来ともなっている白い綿毛を付ける。この綿毛は種子の集まりである。



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見た感じ寒いように思えますが、気温そのものはそれほど低くはないです。

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尾瀬の短いシーズンの中でも、
5月中旬~6月中旬のミズバショウと7月中旬~8月のニッコウキスゲの時期は、
特に多くの人でにぎわうそうです。

そういう意味で云えば、この週末はちょうどその狭間なのでしょう。
6月の最後の週末なんて普通に考えれば、梅雨のまっただなかですから
事前に山小屋を予約する人も、(少々)少なくなっているのではないでしょうか・・・



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当然、レンゲツツジとワタスゲだけではありません。 これはリュウキンカだと思います。


リュウキンカ(立金花、学名:Caltha palustris var. nipponica)は、キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草。

根出葉は長い葉柄をもって束生し、葉身は心円形から腎円形で、
長さ、幅とも3-10cmになり、には低い鈍鋸歯を持つ。茎は直立し、花茎の高さは15-50cmになる。
茎は中空で、茎葉は茎の上部につき、根出葉に似るが小型になる。

花期は5-7月。茎の先端および葉腋から長い花柄を伸ばし、径2.5-3cmの黄色い花をつける。
花弁はなく、花弁に見えるのは萼片で、ふつう5枚、ときに6-7枚ある。
雄蕊は多数あり、雌蕊は4-12個ある。果実は袋果となり、長さ1cmになる。根は白色でヒゲ状になる。

茎が直立し、黄金色の花をつけることから立金花と呼称されるようになった。花言葉は「必ず来る幸福」。
属の学名となっているCalthaはラテン語で「強い匂いのある黄色い花」という意味を持つ。



↑ ↑ ↑    花の種類はこのあとも追えるだけ追ってみますが、たぶん途中で挫折しそう・・・  ↑ ↑ ↑ 



そしてシーズンはおしまいだと思っていた、ミズバショウも見つけることが出来ました。
咲いていたのは日陰になって、他の場所より気温が低いと思われる場所でした。

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そりゃそうですよね。すでに1ヶ月近くの遅咲きですから・・・

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まとまって咲いているのも・・・


ミズバショウ(水芭蕉、学名: Lysichiton camtschatcense Schott)は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草。

湿地に自生し発芽直後の葉間中央から純白の仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞を開く。
これが花に見えるが仏炎苞は葉の変形したものである。
仏炎苞の中央にある円柱状の部分が小さな花が多数集まった花序(かじょ)である。

開花時期は低地では4月から5月、高地では融雪後の5月から7月にかけて。葉は花の後に出る。
根出状に出て立ち上がり、長さ80 cm、幅30 cmに達する。

和名の「バショウ」は、芭蕉布の材料に利用されているイトバショウの葉に似ていることに由来する。



「夏が来れば思い出す・・・」の歌にも歌われている
尾瀬を代表する花であるのは、誰にとっても間違いのないところなのでしょうね。


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三色混植!?です。

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霧の上には太陽が見えているのですが・・・

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まだこの時間ですから、反対側から歩いて来る人はほとんどいません。

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だいぶ明るくなって来ました。

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教えていただきました。ヒメシャクナゲだそうです。


ヒメシャクナゲ(姫石楠花、学名:Andromeda polifolia )はツツジ科ヒメシャクナゲ属の常緑小低木。
別名、ニッコウシャクナゲ(日光石楠花)。

茎は地上を這い、上部が斜上して高さは10-30cmになる。
葉は互生し、葉の形は広線形から狭長楕円形で、長さ1.5-3.5cm、幅3-7mmになる。
縁は裏面にまくれ、葉裏は白みを帯びる。

花期は6-7月。枝の先端に2-6個のピンク色の花からなる散形花序をつける。
花柄は直立して長さ1-2cmになり、その先端に下向きに長さ5-6mmのつぼ形の花冠をつける。
花柄、萼片もピンク色になる。花冠は浅く5裂し、裂片は反り返る。
雄蕊は10本ある。果実は径3-4mmの蒴果となる。




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ワタスゲの密度!?が増して来ました。

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歩いていくうちに池糖が見えてきました。 これもまた尾瀬に来たという気になります。


池塘、地塘、池溏(ちとう)は、湿原の泥炭層にできる池沼である。

高層湿原が形成される過程において、堆積した泥炭層の隙間が水で涵養された部分ができる。
これが池塘であり、周囲とは隔絶された環境であるため、独特の生物相ができる。
池塘と池塘の間は地上、地下の水路でつながり、時に泥炭層の一部が浮島として浮遊することもある。

「池塘」は池沼の堤を、「池溏」は池沼の水をそれぞれ指すという説もある。
なお、中国語の「池塘」は日本語における一般的な池を表し、湿原の泥炭層にできるものに限定されない。




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こちらはナガバノモウセンゴケだそうです。(謝)


ナガバノモウセンゴケは高層湿原に自生する食虫植物です。
葉の上部には腺毛とよばれる、粘着物質を出す毛があり、小さな昆虫を捕らえます。
虫がもがくとさらに粘液を出し、ちょうど手で何かを握るようにヘラ状の葉を丸めていきます。
その後、長い時間かけ粘液で虫を溶かし、養分として消化します。

日本では、福島県、群馬県にかかる尾瀬ヶ原の湿原と北海道に自生が見られます。




いゃあ、知らぬこととは云えども勉強になります。


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池塘から水蒸気が上がって来ています。

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カキツバタも咲いていました。 アヤメとの見分け方は先日の佐原行きの時に勉強しました。

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カキツバタ(燕子花、杜若、Iris laevigata)はアヤメ科アヤメ属の植物である。

カキツバタは湿地に群生し、5月から6月にかけて紫色の花を付ける。
内花被片が細く直立し、外花被片(前面に垂れ下がった花びら)の中央部に白ないし
淡黄色の斑紋があることなどを特徴とする。

愛知県の県花でもあり、三河国八橋(現在の知立市八橋)が『伊勢物語』で在原業平が
カキツバタの歌を詠った場所とされることに由来している。在原業平が詠んだ歌は以下の通り。

から衣

きつつなれにし

つましあれば

はるばる来ぬる

たびをしぞ思ふ






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池塘に映る太陽・・・

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ふと振り返ってみると、頭上には青空が広がっていました。


山の鼻を出発してから、ここまでわずか45分程度の出来事です。
朝霧がだんだんと晴れて来ました。


いいねぇ。


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池塘も遠くまで見渡せるようになり・・・

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振り返ると至仏山がその全容を現して来ました。

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こうなると霧が晴れるまでは一瞬のことでした。

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上大堀川に掛かる橋を渡りました。ここから先は中田代と呼ばれるエリアになります。(ここまでは上田代)


「霧の巻」  なかなか楽しむことが出来ました。
Commented by くまごろう at 2012-07-03 23:10 x
ピンクの小さい花は「ヒメシャクナゲ」ですね。
食虫植物は「ナガバノモウセンゴケ」だと思います。
Commented by chage_diary at 2012-07-06 09:24
すみません。どうもありがとうございました。
早速、使わせていただきました。(謝)
by chage_diary | 2012-07-01 10:50 | お出かけ | Comments(2)

主に週末絵日記になると思います。


by ちゃげ
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