水郷 2012 その2
2012年 06月 12日
2012.06.10(日)
水郷佐原水生植物園 を後にして、佐原の市街地へと向かいました。
水運を利用して「江戸優り(えどまさり)」といわれるほど栄えていた佐原。
人々は、江戸の文化を取り入れ、更にそれを独自の文化に昇華していました。
その面影を残す町並みが小野川沿岸や香取街道に今でも残っています。
このような歴史景観をよく残し、またそれを活かしたまちづくりに取り組んでいることが認められ、
平成8年12月、関東で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建)に選定されました。
佐原の「重伝建」は昔からの家業を引き継いで今も営業を続けている商家が多く、
「生きている町並み」として評価されています。
数年前に水生植物園を見た帰りでしょうか!? ここに寄った記憶が残っているので
(調べてみたところ、2009年のやはりこの季節でした)
クルマを停められる駐車場の場所は覚えていたのですが・・・
あいにくこの日は満車でした・・・
今日は何かあるのかなぁ??
結局、駐車場のおばちゃんに頂いたチラシを見て
その近くにある銀行(佐原信金)の駐車場に停めることが出来ました。
クルマを停めたのはこの地図の左上。ピンクの部分が町並み保全の中心地域です。
駐車場から古い町並みの方に向かって歩いて行きますが・・・
すでにここの通りも古い感じを醸し出しています。
昭和な感じの路地を抜けていくと・・・
なんとも懐かしい板壁の向こうに・・・ 川らしいものが見えて来ます。
小野川沿いの中橋という橋の近くに出て来ました。
いきなり、このような町並みが現れるのですが・・・
去年3月の東日本大震災は、これらのような瓦葺きの日本家屋にとっては大変な揺れだったのでしょう。
そこかしこに・・・
このような、まだ改修の終わっていない建物が残っていました。
ブルーシートが痛々しいです。
そのような中を小野川沿いに歩いてみます。
まずは地図で云うと上方の開運橋の方へ・・・
いゃあ、風情がありますねぇ。
去年だったでしょうか、ワープステーション江戸 という、
このような町並みを模した施設(映画等のロケをするそうです)を訪れてみたのですが、
やはり模倣をしたものは、どんなにちゃんと造ってあってもホンモノには叶わないという感じです。
なんというのでしょうか!?
観光化されつつあるのでしょうが、ここには実際に人が住んでいますから
やはり生活感!?があるのでしょうね。
柳の木が植えてある堀端なんて、この現代めったに見られなくなって来ました。
これまた良い感じのお宿ですね。
開運橋を渡り、川の両岸を歩き
この界隈での中心地であると思われる、忠敬橋に到着しました。
水生植物園と同様に、こちらでも舟に乗られるようになっていました。
青い屋根なのではありません。 伊能忠敬の旧宅なのですが、震災で壊れてしまったようです。(養生中?)
橋を渡り、階段を降りてみました。
ちょうど13:30になったでしょうか?
たった今渡った橋の側面から水が流れ出て来ました。
樋橋(とよはし)は、千葉県香取市の小野川に架かる橋である。
ジャージャー橋とも呼ばれ、日本の音風景100選に選定されている。
樋橋は、もともと江戸時代に小野川上流でせき止めた農業用水を佐原の関戸方面(現佐原駅方面)の
田に送るために小野川に架けられた大きな樋(とよ)であった。
この樋から小野川に落ちる水の音からジャージャー橋と呼ばれるようになった。
その樋を人が渡るようになり、昭和時代にコンクリート橋、1992年(平成4年)に現在の橋となった。
平成4年に橋を造る際に、かつてのジャージャー橋のイメージを再現するため、水が落ちるように造られた。
安易!?なネーミングですが、そのままといえばそのままですね。
伊能忠敬の旧宅は壊れているので、内部の見学は出来ませんでした。
修繕には時間も掛かるのでしょうが、なんといっても先立つものが無いと始められません・・・
上の方にも書きましたが、まだまだ震災の爪痕は癒えていないようです。
そうこうしていると、川の上流の方からお囃子の音が聞こえて来ました。
きっと今日はそういう日なのですね。
1か月後には夏祭りかぁ・・・
この写真だけ見ると、平成24年には見えないです。
お囃子の人々を乗せた舟はジャージャー橋をくぐって下って行きました。
懐かしい感じのする通り・・・
この下で舟を停めて、しばらくお囃子を披露していました。
ここも改修中
町の中をうろうろしてみました。
三菱館
旧三菱銀行佐原支店(香取市所有)
県内でも有数の洋風建築として知られ、イギリスより輸入したレンガを使った2階建ての洋館。
内部は吹き抜けになっており、2階周囲に回廊がある。
屋根は木骨銅板拭きで、正面建物隅にドームを設けている。
川崎銀行佐原支店(開業明治13年)として、清水建設の前身である清水組により建設され、
本店(日本橋)と同時開業。現在は市に寄贈されギャラリーとしても活用されている。
大正3年(1914年)築
中村屋乾物店 明治25年(1892年)築
店舗は、明治25年(1892年)に佐原を襲った大火直後に建築されたもので、
当時最高の技術を駆使した防火構造で、壁の厚さが1尺5寸(約45cm)にもなる建物。
間口は3間で、1階は畳敷と通り抜け土間のある店構え、2階は屋根裏を表した倉庫になっている。
1階の正面は揚戸と土間の建て込み、2階は観音開きの土戸としている。
小屋組み6段、出し桁化粧造りとなっている。
正上
江戸時代より醤油の醸造をしていた老舗。創業は寛政12年(1800年)5月。現在は10代目。
戦後は佃煮の製造販売が主となった。
土蔵は明治初期の建築。江戸時代の店構が残る数少ない建築物であり、
当時の戸締りの方法である「よろい戸」方式が残っている。店の奥には千本格子の障子戸が残り趣がある。
店舗:天保3年(1832年)
土蔵:明治元年(1868年)築
等々・・・
の千葉県有形文化財になっている建物が、たくさん立ち並んでいました。
いろいろなロケが行われているのですね
今は亡き今村昌平監督作品の映画「うなぎ」(1997年)が、第五十回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞しました。
その「うなぎ」のロケ地として選ばれたのが香取市(当時は佐原市)です。
佐原は古くから映画のロケ地として活用されており、
1943年の日本最後の無声映画「愛憎峠」もこの地で撮影されています。
その後、注目される作品として1990年のカンヌ映画祭グランプリの「死の棘」(主演:松坂慶子)。
また1996年トロント映画祭招待作品「夏時間の大人たち」(主演岸辺一徳)。
1997年カンヌ映画祭グランプリの「うなぎ」(主演:役所公司)はよく知られています。
また、宮尾登美子の「蔵」、「櫂」、「春燈」の三部作が、
松たか子主演で福新呉服店や馬場酒造などを使って撮影されました。
CMの撮影もよく行われており、中山美穂出演のビールCF、上戸彩のチョコレートのCMなど、多数の作品があります。
この路地を歩いて、駐車場へと戻って行きました。
是非とも頑張って欲しいものです。
帰路は朝下ってきた利根川をふたたび上って行きます。
まるまる一日のお出かけではなかったのですが、結構楽しめました。
果たして、今年の梅雨はどのような陽気になるのでしょうか!?
by chage_diary
| 2012-06-12 23:00
| お出かけ
|
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